先人の恩、後継への恩返し

福島にそびえる磐梯山。
深緑に包まれ、非常に美しい表情を見せている季節を迎えました。


とくに、五彩の沼と呼ばれるとおり、
さまざまな色合いで水面を彩る五色沼が美しい裏磐梯は、
見る人を絶句させるほどの美景です。



が、今は美しいこの美観、
実は自然が作ったものではありません。




１８８８年の大噴火で、
一帯は“灰の大地”と化しました。







その不毛の地を蘇らせた一人の男がいます。
「磐梯山緑化の父」と敬愛される遠藤現夢です。



会津の商家に生まれた彼は、自身も事業を興し、
水力発電の開発を計画。


しかし、調査で訪れた裏磐梯の荒れ果てた姿を見て、植林を決意します。
そして、作業員とともに、
１０年で十数万本を植樹します。








磐梯山では今、
先人の遺志を継ぐ多くのボランティアが、自然保護の活動を続け、
景観を守り育てています。



『緑を見て、木を植えた人のことを思う』―人間性の発露は、こうしたところにあるのでは？

過去に思いをやれる人は、未来のために汗を流すことが出来ます。


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人も、
多くの人々によって今の自分があることを認識するとき、
真の強さを発揮できるのでは？

また、同じように、
今度は自分が未来の、
後継の人材を育て、
また自らをはぐくむことができるのではないでしょうか？


「緑を見て、木を植えた人のことを思う」
日常の風景の中には、
自らを省みる知恵が潜んでいます。



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